2018年第9回 高校生の「建築甲子園」実施・応募要領 | 公益社団法人 日本建築士会連合会

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高校生の「建築甲子園」

2018年第9回 高校生の「建築甲子園」 “ゆめを・希望を・未来をみんなでつくる”

ゆめを・希望を・未来をみんなでつくる 2018年 第9回 高校生の「建築甲子園」 作品募集

【2017年 第8回 優勝作品】
夢を描きながら住まうこと ~地域を創るわかもん団地~
富山県立富山工業高等学校

■テーマ:「地域のくらしーリノベーションの可能性」

審査委員長 片山 和俊
建築家、東京藝術大学美術学部建築科名誉教授

果たしてよかったのだろうか。
実は私も新築が当たり前と思って設計をしてきた一人である。 焼け野原と化した東京をはじめとする各都市で、経済成長とともに新築を繰り返してすまいを、町や都市を作り続けてきたのが戦後の建築の歴史に他ならない。その過程で増改築や改修を半人前のように思ってきたのも正直なところだが、ここに至ってそれを疑う時代が到来した。
 統計的には既に必要な住戸数が充足されている一方で、日本の各地には空き家が増え続け、減築の可能性も否定できない状況にある。人口が減り少子高齢化という縮小時代を迎え、これまでの新築主義を続けていくのはあまりにも非現実的だろう。むしろどうしたら既にある建築や環境を使い続けていけるか、建築や環境の再利用・再構築「リノベーション」を考える必要が生じてきている。
 西洋建築史の加藤耕一は自著の中で、建築自体が用途を換えながらも使い続けられてきた歴史であることを明らかにし、その長い歴史からすると現代のスクラップ・アンド・ビルドの「新築主義」は、むしろ例外的なものであると説いている。石造の西欧と木造の日本ではかなり違うと思いがちだが、部材交換が容易な増改築や改修はむしろお手のものであったし、これからを考えると使い続ける必要は西欧とか日本とか言っていられない。
 時代の流れがこれまで以上に速くなっていく現代で、スクラップ・アンド・ビルドはもとより、新築か保存かという二者択一的な判断も上手くいかないかも知れない。 ある部分は残してもある部分は大胆に壊してやり変えるなど、もっとフレキシブルで多様な対応や展開力が必要かも知れない。ある場合には用途を変えて再生するコンバージョンも考えられるだろう。どうしたら「建築や環境を使い続けていけるのか」は、これからの地域の、町や村の、個々の建築の挑戦にかかっている。その時に誰がそれを発想し担っていくか、従来の建築家なのかあるいは新しい職能なのか、それを支える体制や法制度はどういうものか予想がつかないことも多い。
 これまでも難問であり、今度こそ易しくしたかったが難しくなってしまったようだ。こういうテーマを高校生諸君に託すのはかなり酷かも知れない。が、こういうテーマこそ固定観念の少ない君たち若い世代に向いていそうだ。自分たちが生きる10年20年30年先を想像して自由に描いてみて欲しい。期待して待っているヨ。

参考文献:時がつくる建築 加藤耕一著 一般財団法人東京大学出版会
※「建築甲子園」は公益社団法人全国工業高等学校長協会の「ジュニアマイスター制度認定プログラム」です。

◆審査方法(2018年度)予定

10月 県予選
   応募された作品は、先ず、県大会予選(都道府県建築士会単位での審査)を行います。
県大会予選で選抜された1作品が全国選手権大会(連合会の審査)へ提出されます。
    ※士会の審査委員長等の応援演説(動画またはテキストファイル)を添えて連合会へ提出します。
   *県大会予選の実施方法については、別途に各都道府県建築士会から案内します。
11月中旬 一次審査 「ベスト8選出」 
ベスト8入賞校へは連合会より通知をするとともに、最終審査でのプレゼン用の動画の提出を依頼します。プレゼンの時間は1校5分程度。ファイルはwindowsで再生可能なファイルをDVDで提出いただきます。詳細は通知時にご案内いたします。
12月中旬 最終審査(公開審査)
審査会で、ベスト8校から提出されたプレゼン動画を視聴し、審査を実施します。最終的に優勝、準優勝、ほかを決定します。
これらの最終審査の模様をWEBでLIVE配信する予定です。(公開方法は審査会の日程確定後に公表)

◆入賞及び賞金

①優勝1点 10万円、
②準優勝1点、5万円
③ベスト8(①、②を除く6校)、3万円
④審査委員長特別賞教育・事業委員長特別賞、女性委員長特別賞、青年委員長特別賞、各2万円
⑤奨励賞(全国選手権出場全校) 1万円
各賞に応じて賞状を監督、選手全員に贈ります。賞金を受賞チームへ贈ります。

◆入賞発表

平成30年12月の最終審査で発表(予定)

◆お問い合わせ先

(公社)日本建築士会連合会 建築甲子園事務局(担当:事業部) TEL 03-3456-2061

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