番号:【2013.12-015】
情報:高層ビルにおけるフロアユニット生産設備の創意工夫による施工の合理化
発信:建築技術等部会 浦江真人(東洋大学)
フロアユニット工法は、床の構造部材、仕上材、設備資材を一体化したユニットを揚重することにより揚重回数を減らし施工の合理化を図る工法である。一般的なフロアユニットは、床の構造部材(鉄骨小梁、デッキプレート)、床下の仕上材や設備資材(耐火被覆、空調ダクト、スプリンクラー、電気設備)などで構成されている。フロアユニット工法は、建物の天井内の設備の大部分を地上のフロアユニット生産設備の中で完了できるので、安全性が高く、資材の取付作業や揚重・運搬コストを大幅に削減できるメリットがある。
清水建設では、1990年代はじめに全天候型自動化施工システムの開発・適用における要素技術のひとつとしての鉄骨系積層構法の普及・展開の中で、合成スラブデッキと小梁を一体化したデッキユニットがフロアユニットの原型である。2000年代はじめに天井内設備をデッキの下部に吊り下げたユニットが考案され、2000年代後半には工程や敷地条件の厳しい案件に対応した2段式架台のフロアユニット生産設備や、更に、3段式、4段式といった多段式が登場した。最近では、間仕切壁や外壁カーテンウォールと一体化したユニットも登場し、形態の多様化と生産技術の高度化が図られている。
出典:建築技術2013年12月号 「連載 新時代を拓く最新施工技術(第50回)」
著者:藤原進一郎(清水建設)
監修:日本建築学会 建築社会システム委員会 建築生産小委員会