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番号:【2013.03-004】

情報:「工事監理と監理は違うものです」
発信:建築技術等部会 豊田鐵雄(株式会社日建設計)

建築の工事現場で行われる建築士の業務に「工事監理」があります。また、これと似た用語として、一般的に「監理」と呼ばれる業務もあります。この二つの用語は、混同されることが多いのですが、似ているようで違うものです。

「工事監理」とは建築士法第2条第7項で定義される建築士の独占業務であり、工事を設計図書と照合・確認することを指します。一方、「監理」は、通常、建築主と建築士事務所の間で締結される監理業務委託契約により、その業務内容が定められます。そして、この「監理」は、工事監理を包含するものの、業務内容はより幅広いものとなります。一般的に「監理」の業務は、国土交通省告示第15号に示される「標準業務」に、「標準業務に含まれない追加となる業務」を加えたものとなります。

平成21年9月1に国土交通省により「工事監理ガイドライン」が策定されました。これは、建築士法上の「工事監理」の確認対象工事に応じた合理的方法について具体的に例示したものですが、契約に基づく「監理」業務のうちの「検査」にも十分活用できるものです。なお、(一社)新・建築士制度普及協会から発行された「工事監理ガイドライン講習会テキスト」の参考資料に、工事監理と監理の関係について次のイメージ図が示されています。

建築士法による工事監理を行う者を「工事監理者」というのに対して、監理業務を行う者は、一般的には、工事請負契約などで「監理者」と呼ばれます。なお、工事監理者については、通常、建築確認申請書の「代表となる工事監理者」欄又は「その他の工事監理者」欄にその氏名が記載された建築士が工事監理者となります。

一般的に、この工事監理者と監理者は別人ではなく、同じ建築士が務めることが多いです。つまり、同じ人を建築士法という視点で見れば工事監理者であり、契約という視点で見れば監理者となるということです。たとえば、現場で配筋の確認を行っている建築士は、建築士法上は「工事監理者」が「工事監理」すなわち工事と設計図書の照合・確認を行っているのであり、監理業務委託契約や工事請負契約の視点から見ると「監理者」が「検査」を行っているということになります。