CPD制度は、CPD制度は専攻建築士の必要条件です
社団法人 日本建築士会連合会
建築基準法に関するヒアリングのためのアンケート
平成21年10月19日~23日
連合会アンケート・メンバー(メンバー1.011名)
Webアンケート
216 (回答率21.4%)
構造設計に携わる一建築士が引き起こした構造計算書偽装問題は、 建築士の業務環境に大きな課題を認識させた。
ひとつには建築確認申請業務をはじめとする建築行政の課題、ついでは建築士制度の課題、そして消費者保護の課題などである。こうした課題に対して、建築基準法および建築士法が改正され、 さらには特定住宅瑕疵担保保護責任履行の確保に関する法律が制定・施行されるなど、建築士の日常業務のさまざまな局面に大きな影響を波及させる法制度の改正が試みられた。
設計・工事監理業務の適正化、管理建築士の要件強化、建築士に対する定期講習受講の義務付け、 建築士試験の受験資格の見直し、消費者への情報開示、建築士名簿の閲覧など多岐にわたる。
具体的には、建築確認の厳格化、構造設計一級建築士の関与の義務付け、および設備設計一級建築士の関与の義務付け、あるいは法適合確認。 さらにそれらにともなう罰則などは、設計・工事監理業務はもとよりさまざまな関連業務に関わる建築士の日常業務と深く関わることになる。また、こうした制度改正の根底には、建築士の責務への自覚と消費者保護の視点があることは改めて申し述べるまでもない。
回答者の業務分類は、その約65%が「建築設計一般、監理」従事者、「経営」、「構造設計」が続き、 「行政」と「現場監理」、「その他」がほぼ同数でそれに続く。少数ではあるが「設備設計」、「積算見積」、「士事監理」、「技能労務(木工など)」、「営業・販売」、「維持管理」、「代理業務 (代願)」、「教育」 と業務分類として提示したすべての 領域 から回答が得られた。
性別については女性が約10%。年齢は 「50~59歳」が約45%、次いで「40~49歳」が約25%、次いで「60~69歳」が約20%とつづき「30~39歳」 がほぼ10%。今回、20代の回答者はなかった。女性回答者の年齢は「40~49歳」と 50~59歳」がほぼ同数であり、他の年齢層に比べて大多数を占める。性別を問わず 「40~49歳」および「50~59歳」の年齢層の回答者が多数であることが示されている。
男性では「60~69歳」の年齢層も多く、「40~49歳」、「50~59歳」、「60~69歳」の中高年の年齢層が、組織の経営や管理に携わることの多い世代であることから、当該アンケートに対して高い関心を示したのは「建築設計一般、監理」に従事する経営・管理者層が多い。
また、資格としては「一級建築士」が90%を超える回答率を占めているが、アンケートの性格上必然の成り行きでもある。以下、アンケートの三択の回答率、記入欄から主な意見、提案など、書き込みを整理して概括いたします。


質問① 確認申請図書は
a.もっと簡素化すべき (148) 68.5%
b.現行でいい (63) 29.2%
c.もっと厳しくすべき (5) 2.3%
(記入欄) 「建築士の質の向上を行うことにより簡素化」、「手続きの簡素化のみではなく、建築確認事項の簡素化 (たとえば集団規定と重要な単体規定に限る) もあわせて」、「建物の種類や用途で」、「認定書等は省略して」など、建築士の資格・責任を前提として、また手続きや確認事項について、さらには認定書等添付図書の適正化で簡素化を求める意見・提案。
質問② 申請期間は(確認申請がおりるまで)
a.長い (144) 66.7%
b.短い (5) 2.3%
c.丁度良い (67) 31.0%
(記入欄)「特に行政に提出した場合」、「構造適判対象の建物」、「厳格化を理由として」など、「長い」とした背景の指摘。また「現今の経済状況から」と短縮・効率化を求める意見なども。
質問③ 審査方法は
a.改善すべき (147)68.1%
b.現行でいい (47) 21.8%
c.わからない (22) 10.2%
(記入欄)「法律に適合しているかのみを判断して」、「設計図以外の添付図書 (都南計画図など) や作図・計算を求められる」、「現場の状況に即して」など「改善すべき」。「審査機関によって見解が異なる」との指摘、 「チャート化」、「マニュアル化」、「チェックリスト化」など、審査の簡明化や統一的見解提示への提案も多数。「裁量性を含む案件については提出者と審査側の協議で」、「軽微な訂正については審査を継続しながらヒヤリングで」など、審査の柔軟性を求める意見。「構造適判対象建物の緩和」。「提出側の勘違いがないか等のチェックでよい」など、建築士の資格 責任強化を前提としての提案も散見。
質問④ 構造計算適合性判定の対象建築物について
a.改善すべき(143) 66.2%
b.現行でいい (34) 15.7%
c.わからない (39) 18.1%
(記入欄) 「規模ではなく不特定多数が利用する建物等、規模および用途の複合的な基準に」、「計算ルート2および木造3階建 (軒高9m以上) は適判の必要なし」、「超高層、特殊構造のみ」など、規模・計算難度、用途など勘案し改善すべき。「構造設計一級建築士 (第三者) が関与した案件は除外」など、制度改正での新たな資格の十分な活用を求める。
質問⑤ 構造関係基準と審査内容は
a.改善すべき (119)55.1%
b.現行でいい (37) 17.1%
c.わからない (60) 27.8%
(記入欄)「既存不適格建物の増築など、 現実と乖離した規定の改善」、「判定者と意見交換ができるように」 など。
質問⑥大臣認定プログラムについて
a.改善すべき (79)36.6%
b.現行でいい (22) 10.2%
c.わからない (115) 53.2%
(記入欄)「プログラムにまだバグが多すぎる」、「現在ではひとつのみだが、認定プログラムの普及・促進を」 など、改善の必要性を強調。
質問⑦ 構造設計一級建築士による設計への関与義務付け
a.改善すべき (80) 37.0%
b.現行でいい (83) 38.4%
c.わからない (53) 24.5%
(記入欄)「適判が十分に機能すれば構造設計一級建築士は不要」、「確認申請機関が十分に機能すればよい話」 など、制度の重複への疑問。「超高層、特殊構造のみ」、「関・与する案件の規模を大きく、用途も特殊なものに」など、構造設計一級建築士の資格をより特化する提案。
質問⑧ 設備設計一級建築士による設計への関与義務付け
a.改善すべき(93) 43.1%
b.現行でいい (56) 25.9%
c.わからない (67) 31.0%
(記入欄)「構造」と同様に制度の重複への疑問。「多くの設備設計者が一級建築士でなし、現状と乖離」、「有資格者数が確保できるのか」などの指摘。「電気と機械設備ではまったく異なるのに一元化した資格制度に疑問」 など。
質問⑨ 罰則の強化について
a.緩和すべき(38) 17.6%
b.現行でいい (114) 52.8%
c.もっと強化すべき (64) 29.6%
(記入欄)「悪質な違法行為は厳罰に」、「建築士の地位向上のためにも厳罰化は必要」、「通常に業務に従事すれば罰則の対象とはならない」、「資格の品格」など、信賞必罰は社会通念でありものの道理でもあろう。「罰則強化より、教育や育成を」との意見も。
質問⑩ 建築士等の処分の強化について
a.緩和すべき(37) 17.1%
b.現行でいい (120) 55.6%
c.もっと強化すべき (59) 27.3%
(記入欄)「±会全加入とし、十分 に検証し士会で処分」、「第三者機関によって、公平に処分」など、いずれにせよ瑕疵発生の背景の精査を求め、再発阻止は誰にも共通の想い。
質問⑪ 建築確認制度のあり方について
a.改善すべき (144) 66.7%
b.現行でいい (66) 30.6%
c.わからない(6) 2.8%
(記入欄)「施工段階での設計業務が現実に派生することに対応すべき」など、現場の状況への対応。「細分化した建築基準法の単体規定を建築士の責任のもとに委ね、集団規定への行政の関与を強化、建築基準法のまちづくり法への転換」とするなど 「改善」への提案。
質問⑫ 建築基準のあり方について
a.改善すべき(141) 65.3%
b.現行でいい (65) 30.1%
c.わからない (10) 4.6%
(記入欄)「仕様書的な規定は建築基準法 (行政) で関与すべきか疑問」、「現状にあわせた基準に」など、実務レベルでの意見。「地域性による緩和も必要」、「基準法でなく基本法の制定を」など、記入欄には「改善すべき」とするさまざまな意見・提案が多数。設問1、2,3との重複も多数。
質問⑬ 設計、工事監理、施工のあり方について
a.改善すべき (113) 52.3%
b.現行でいい (88) 40.7%
c.わからない (15) 6.9%
(記入欄)「はっきりと分離すべき」、「設計、工事監理、施工の分離の法制化」、「設計施工の場合は監理を第三者に」など、分離の提案。「工事監理を建築主の責任で選定、実施することの法制化」など建築主の関与を求める意見も。
質問⑭ 設計者の責任は
a.もっと緩和すべき (41) 19.0%
b.現行でいい(111) 51.4%
c.もっと重くすべき (64) 29.6%
質問⑮ 処分と評価は
a.もっと緩和すべき (40) 18.5%
b.現行でいい (116) 53.7%
c.もっと重くすべき (60) 27.8%
質問⑯ 報酬のあり方に
a.改善すべき(155) 71.8%
b.現行でいい (33) 15.3%
c.わからない (28) 13.0%
質問⑰ 建築士等の資格制度のあり方について
a.改善すべき (122) 56.5%
b.現行でいい (81) 37.5%
c.わからない (13) 6.0%
(記入欄)「業務独占を考えるなら、受験資格をより厳密に。また、建築士会など強制加盟団体を法制化し、 自己研鑽・自助努力を推進、違反者の処分を行うなど社会的な認知度を高める必要がある」など、同様意見多数。
質問⑱ 消費者保護と違反・欠陥建築物について
a.改善すべき (133) 61.6%
b.現行でいい (58) 26.9%
c.わからない (25) 11.6%
(記入欄)「違反・欠陥建築に関わる業者など、建築士でなくても処罰される明確な法制化が必要」、「違反・欠陥建築を告発する体制が不在」、「消費者への違反・欠陥建築についての啓発・周知が必要・不可欠」など、 課題多数。
質問⑲ 厳罰化について
a.改善すべき (103) 47.7%
b.現行でいい (77) 35.6%
c.わからない (36) 16.7%