一級建築士の懲戒処分について

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1 最近の処分状況

最近の処分状況

一級建築士が、建築に関する法令等に違反したとき又は業務に関して不誠実な行為をしたときは、免許取消や業務停止等の懲戒処分が行われます。

また、昨年は、建築士法等の改正に伴い、「一級建築士の懲戒処分の基準」についても、法改正により新たに設けられた規定に対応した懲戒事由を追加するなどの改正が行われました。

従って説明を省略したり書面を交付しなかった場合、また重要事項説明内容に欠落があったり虚偽の説明をするといった不誠実な行為があった場合、さらに重要事項説明の際に免許証やこれに替わる建築士免許証明書の不提示などの違反行為があった場合には建築士事務所の開設者には監督処分、係わった建築士には過料や懲戒処分などの厳しい処罰が課せられる。

最近の一級建築士の処分内容別の処分人数は表1のとおりとなっています。(平成19年6月20日(改正建築士法施行日)から平成20年12月末まで)

処分内容別の処分人数

また、主な処分事由別の処分人数は、表2のとおりとなっています。

主な処分事由別の処分人数(延人数)

(資料提供;国土交通省住宅局建築指導課)

2 免許取消の具体例

(1)確認済証の偽造等により免許取消

確認済証の偽造、工事監理報告義務違反、業務委託書面交付義務違反等)  A一級建築士は、B県内の戸建て住宅の確認申請代理者であったが、建築確認申請を行わず、虚偽の確認済証を自ら作成し、工事施工者、建築主に渡し、無確認で建築工事が行われることとなった。

また、B県内の8物件の工事監理者として、工事監理報告書により建築主に報告しなければならない(建築士法第20条第3項)が、これを行わなかった。更に、建築士事務所の開設者として、8物件の設計及び工事監理業務について、業務委託の書面を交付しなければならない(建築士法第24条の8)が、これを行わなかった。その上、建築士事務所の開設者として、業務に関する帳簿を作成、保存しなければならない(建築士法第24条の4第1項)が、これを行わなかった。

(2)虚偽の建築確認番号の使用等により免許取消

(虚偽の建築確認済番号の使用、違反設計、無登録業務等)

C一級建築士は、D県内の戸建て住宅2物件の確認申請代理者であったが、建築確認申請を行わず、工事施工者に対してファクシミリ等により虚偽の建築確認番号を通知した。これにより、無確認で建築工事が行われることとなった。

また、戸建て住宅の設計者として、建築基準法に定める高さ制限に違反する設計を行った。(建築士法第18条第1項違反)更に、設計者及び工事監理者として、事務所の登録の更新を受けずに業務を行った。(建築士法第23条の10違反(無登録業務))その上、工事監理者として、工事監理において無確認の設計図書に基づき不適切な工事監理を行った。

(3)多数の違反設計により免許取消

E一級建築士は、F県内の分譲戸建て住宅16物件の設計者として、壁量の不足する設計を行った。(建築士法第18条第1項違反)

3 業務停止の具体例

(1)違反設計により業務停止10月

G一級建築士は、H市内の共同住宅3物件の設計者として、保有水平耐力の不足する設計を行った。(建築士法第18条第1項違反) (G建築士は、構造関係については、外部の構造設計事務所に委託しており、いわゆる元請の設計者としての責任を問われたもの。)

((参考)別件であるが、昨年、東京高裁において、「たとえ、構造計算が別の者によって行われたものであったとしても、設計図書に設計者として記名及び押印をした建築士が「設計者」としての責任を負うべきである」との判例が出ている。)

参考)建築士法 抜粋
(定義)
第2条
5 この法律で「設計図書」とは建築物の建築工事実施のために必要な図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書を、「設計」とはその者の責任において設計図書を作成することをいう。

(業務に必要な表示行為)
第20条 一級建築士、二級建築士又は木造建築士は、設計を行つた場合においては、その設計図書に一級建築士、二級建築士又は木造建築士たる表示をして記名及び押印をしなければならない。設計図書の一部を変更した場合も同様とする。

(2)無確認着工の相談により業務停止3月

I一級建築士は、J市内の建築物の確認申請代理者、設計者及び工事監理者として、建築確認を受けていないにもかかわらず、工事施工者からの相談を受け、相談に応じ、無確認着工を決めた。(建築士法第21条の3違 反)

(参考)建築士法 抜粋
(違反行為の指示等の禁止)
第21条の3 建築士は、建築基準法 の定める建築物に関する基準に適合しない建築物の建築その他のこの法律若しくは建築物の建築に関する他の法律又はこれらに基づく命令若しくは条例の規定に違反する行為について指示をし、相談に応じ、その他これらに類する行為をしてはならない。(平成18年追加改正、平成19年6月20日施行)

(3)工事監理不十分により業務停止3月

K一級建築士は、L市内の戸建住宅の工事監理者として、確認申請書と異なり、かつ、道路内の建築制限に違反する工事が行われたにもかかわらず、工事施工者に注意を与える等の適切な工事監理を行わなかった。

(4)管理建築士の名義貸しにより業務停止3月

M一級建築士は、㈱Nにおける一級建築士事務所の登録申請において、管理建築士となるつもりがないにもかかわらず、自己の名義を使用することを承諾した。

このことにより、㈱Nは、勤務実体のないM建築士を管理建築士として、一級建築士事務所の登録を行った。 (㈱Nに対しては、一級建築士事務所登録の取消処分がされている。)

(5)不適切な構造計算により業務停止3月

O一級建築士は、P区内の共同住宅3物件における構造計算の下請建築士として、高強度せん断補強筋を適用範囲外の耐震壁に使用し、建築基準法に違反する不適切な構造計算書の作成に関与した。

(6)建築士事務所管理不履行による業務停止1月

① Q一級建築士が管理建築士となっている一級建築士事務所(構造専門)では、元請の建築士事務所から依頼された一級建築士でなければできない構造設計業務を、事務所に所属する二級建築士に行わせ、二級建築士の数値入力の誤り等により保有水平耐力の不足する構造設計業務が行われた。

② R一級建築士が管理建築士となっている一級建築士事務所では、事務所の担当者(無資格者)による虚偽の建築確認番号を使用し、建築確認を受けることなく工事が行われることとなった。

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