重要事項説明の義務について

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重要事項説明の義務について (後藤伸一:東京建築士会監事:重要事項説明内容等検討会委員)

(1)重要事項説明の義務化とは

重要事項説明書式

重要事項説明書(書式)


平成20年11月28日の改正士法施行に伴い新たな建築士制度がスタートした。これによって今後建築士事務所が新規に設計又は工事監理の受託契約を締結しようとする場合(契約前)には必ず管理建築士又はその建築士事務所に所属する建築士が、契約内容に係わる法令事項を含む所定の内容(重要事項)について建築主に説明して、記載内容の書面を交付することが建築士事務所の開設者に対して義務付けられた。(建築士法第24条の7)これがいわゆる「重要事項説明」と交付する書面である「重要事項説明書」である。すなわち重要事項説明は法で定めた義務行為であり、これを履行しなければ当然ながら法令違反となる。重要事項説明に係わる建築士の具体的な義務は概ね以下の3点にある。


1)重要事項の説明及び内容記載書面の交付
2)上記の内容に係わる誠実な履行
3)説明時の建築士免許証等の提示

従って説明を省略したり書面を交付しなかった場合、また重要事項説明内容に欠落があったり虚偽の説明をするといった不誠実な行為があった場合、さらに重要事項説明の際に免許証やこれに替わる建築士免許証明書の不提示などの違反行為があった場合には建築士事務所の開設者には監督処分、係わった建築士には過料や懲戒処分などの厳しい処罰が課せられる。

(2)何故こうした義務が新たに付加されたのか

改正士法によるこうした新たな義務の付加は何故行われたのか。基本的には構造計算書偽装事件等への反省の上に立つ今般の法改正の趣旨のうち、「設計・監理業務の適正化」と「消費者への情報開示」の実現を目指したものが重要事項説明義務の付加であろう。今まで建築士として特段のトラブルも無く誠実に業務に当たってきたのに手続きばかりが煩雑になって、と感じている会員も少なくないと思う。しかしながら建築士に対する社会的な信用失墜の影響はことのほか重大であり、また実際には国家資格者である建築士の独占業務である建築の設計や監理は、その内実が特に建築ユーザーには見えにくいものであった。さらに建築士の側でもドライな契約社会はわが国の実情には似合わないとばかりにむしろ契約内容を曖昧にしたり業務受託条件の決定時期を先送りしたりしてきた業務の実態もある。一方で技術者の世界でも昨今は積極的にインフォームドコンセント(説明と同意)やアカウンタビリティ(説明義務)を果たすべきという意識が一般化してきており、建築士の世界も例外ではないとされ、あるいは業として設計・監理を行う場合には個人ではなく建築士事務所登録をした組織で行うことになっているという法の趣旨が、こうした義務の付加でより徹底されたといってよい。

(3)新たな義務にどう対処すればよいか

先ず日本建築士会連合会などの四会推奨重要事項説明書様式の入手(インターネットで各会のHPにリンクして入手できる。データ記入できるフォーマットも入手可能である)と四会で販売している解説書(「重要事項説明のポイント」重要事項説明内容等検討会編1300円)の購入が対処の最短経路であろう。特にこの解説書は重要事項説明の概略からあらゆる疑問に答えるQ&A(記載事項や建築主の定義、業務の態勢・内容や元下の関係、契約前のいつの時点で説明・交付を実施するのかなど)、記載方法の解説や記入例まで懇切丁寧に示されている。ぜひこれを一読されることをお奨めしたい。なお、従来契約時に交付していた士法第24条の6の書面は、改正士法においても第24条の8として書面交付の義務が継続しており、仮に重要事項説明が契約の直前であると、ほぼ同一内容の書面を確認のため直後の契約時に交付することになるので、その点(どちらも省略できない)も注意が必要である。

今回の重要事項説明の義務化を建築士に対する一方的で面倒な手続きの強制と捉えるのか、法で定められた義務の履行をむしろ自らの業務環境適正化の契機と捉え、より充実した営業活動や業務態勢づくり、その質的向上に活かそうと考えるのかで今後の建築士や建築士事務所の業務の方向性は大きく左右されると思われる。いずれにしても会員をはじめとする我々建築士はもう一度改正士法の趣旨に立ち返り、重要事項説明の義務化を通して「設計・監理業務の適正化」と「消費者への情報開示」の課題についてさらに真剣に取り組む必要があろう。

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